【歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第70回】激動の人生が映画化されて話題! 日本人がいま、二宮尊徳に学ぶべきことは?
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第70回~二宮尊徳~
〇自立心30% (比肩、劫財)
自立心は、リーダーシップと強い精神力を持っている星だが、命式表で言うと、「比肩(ひけん)」と「劫財(ごうざい)」に当たる。「比肩」は、一匹狼で職人気質、頑固でマイペースに物事を進める。一方の「劫財」は、社交性が高く人をまとめるのが得意な社長さんタイプ。
尊徳の思想、「報徳」は、今でも生き続けている。「報徳」とは、「万物にはすべて良い点(徳)があり、それを活用する(報いる)」という考え方である。この思想は、尊徳の子孫や弟子たちに受け継がれ、広まっていった。渋沢栄一、安田善次郎等の明治の実業家や、松下幸之助、稲盛和夫等の昭和を代表する経営者達にも多大な影響を与えたといわれる。尊徳は、世界にも名を轟かせる日本の社長達のリーダーだったのだ。
〇知性10% (印綬)
知性は、知的好奇心が高く、物事を論理的に捉えるのが得意な星。命式表で言うと、「印綬(いんじゅ)」に当たる。「印綬」は幅広い知識を持ち、勉強や読書が好き。人に教えるのも得意。
そもそもなぜ、小学校前の二宮金次郎像が示すように、薪を運びながら、片時も本を手放さず、歩きながら勉強に励んだでいたのかというと、ただ単に「勉強が好きだったから」ということがわかった。また、得た知識を上手に活かす天性の才能を持っていたのだろう。
小林惟司は『二宮尊徳〜財の声明は徳を生かすにあり〜』(2009)では、尊徳の4つの力を評価している。まず1つは技術力だ。治水・用水工事において現代に繋がる設計図を作成している。その最初の業績は、34歳の時に行った桝の改訂である。小田原藩にはその当時、形状の異なる桝が18種類もあったが、これを改訂し、中間搾取をなくした。2つ目に数理力だ。尊徳の仕法をねたむ人たちは、尊徳が利益を蓄積していると疑念を抱いていた。そういった疑惑を晴らすためにも、尊徳は帳簿管理をしていたが、一度しか計算しなかったにも関わらず、その一算で決して誤らなかったという。卓越した数理的頭脳を持っていたのだろう。3つ目は、言わずもがな、その経営力だ。4つ目は科学力だ。当時には珍しく科学的思考を持ち、奇跡や占いを全く信じなかったという。弘法大師の法力で越後に石油が湧くという話を聞くと、因果律を持ち出して科学の根本原理を説き、これを否定したという。今、筆者が勝手に四柱推命鑑定をさせて頂いていることをどう思っていらっしゃるのだろう。いや、四柱推命も統計学なので、一応論理性はあるのだが…。
いずれにせよ、勉強が好きで、様々な物事を論理的に捉え、トータル的に頭がよかったと言える。
〇行動力0%
行動力は頭で考えるよりも行動で結果を出そうとする星。この星を持っていなかった尊徳は、ガツガツ行動したり営業したりするのではなく、まずは頭で考えてから行動に移していたのだろう。確かに、尊徳が自分自身で自分を売り込んだというのは想像がつかない。それよりも大勢の人たちから「尊徳さんでないと!」と頼られて、その思いに応じていたのだろう。営業をせずとも仕事が舞い降りる。尊徳のお人柄の賜物だ。
★宿命大半会を持っている
尊徳の命式表で、日柱に「戊子」、月柱に「戊申」を持っているが、この関係を宿命大半会(しゅくめいだいはんかい)という。「宿命大半会」を持っている人は、人の倍のエネルギーを持ち、幅広い仕事ができるゼネラリストタイプといえる。
尊徳を尊徳たらしめる理由は、ここにもあった。やはり普通の人よりもエネルギーが強く、またその使い方も上手だったのである。農村の再興には、農業的知識だけでなく、経理、経営、企画、設計等様々な分野の知識が必要であるが、ゼネラリストの尊徳にはぴったりの仕事だったのだ。
以上、述べてきたように、尊徳は自分の持って生まれた星(命式)を最大限いい方向に活かした成功者と言える。四柱推命は、当たる、当たらないを見るものではない。その人が持って生まれた星と照らし合わせ、どうしたらそれをうまく活用できるのかを考える学問だと私は思っている。そういう意味で、確かに尊徳は宿命大半会を持ってはいるが、その他に特別な星を持っているわけではない。その活かし方がうまかったのだ。
最大限に宿命を活用するために必要なのは、やはり努力だろう。10代の尊徳が薪を運びながら勉強をしたという話は有名だが、それに加え、夜本を読むために、自ら荒れ地に菜種を育て、その油を使って火を付け、夜な夜な読書をしていたという。気が向くもの、楽しいと思えるものを見つけたら、尊徳のように自ら道を切り開き、努力をしてみてはどうだろうか。筆者自身、できない言い訳を探すのではなく、一日10分でも継続して何かに打ち込みたいと思う。
古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いて現行暦に換算し鑑定している。
■用語説明
日柱の干支:その人の本質を表す重要な部分
主星(しゅせい):月柱の蔵干通変星で、その人を表す最も重要な星。主に仕事運を表す。
自星(じせい):日柱の蔵干通変星で、その人のプライベートな部分の性格を表す重要な星。
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